往生院たより 5月号コラムより |
「 供 養 」 |
お彼岸も無事に終わり、少しずつ過ごしやすい季節となりました。 草木が芽吹き、新しい季節、新しい年度が始まり、我々にも非常 に活力が生まれる時期でもあります。
年度末にはイラク戦争もあり、世界中が不安になりました。国連の 安保理、反戦の声を無視して始めた戦争は誠に遺憾であったと考 えております。あの空爆の下で何の罪もない市民が大勢亡くなって しまったことは忘れてはいけないと思います。愚かな戦争の歴史を 繰り返す人間、改めて反省しなければならないでしょう。
3月のお彼岸の法話では「供養」ということについてお話させていた だきました。本来の供養とは、供養を頼むお坊さんの質やお経の種 類、お布施の額などは関係なく、残った家族、身内、縁者の方々の 「思い」が非常に大切なのであると思っております。
亡くなった方が一番喜ばれる供養というものを考えた時、やはり亡く なった方の思いや志を継いで、残った者たちが、幸せに暮らしそして 世間で頑張って生きていくということが一番ではないだろうかと思いま す。「天国から亡くなった方が見ていて、一番喜ばれること」 そういったことから考えて供養ができればと考えています。
また、お経というものも、本来は亡くなった方のために読むというもの ではなく、「生きている人間に対してのお釈迦様の教え」というものを 説いたものであり、ゆえに、私は亡くなった方の供養のお経よりもむし ろ現実世界で生きている人間にとってのお経というものが大切で必要 なものではないだろうかと最近は考えております。
川口 英俊 副住 合掌 |
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